1. 四川省成都市は歴史文化が豊かなアニメ産業都市
四川省成都市は中国でも有数の教育文化都市で、毎年20万人以上の大学生が成都市内の大学を卒業する。しかも、中国国内でも優秀な学生が集まる有名大学が多い。
また、同地は三国志の蜀の都だったことから、市内には劉備玄徳、関羽、張飛、諸葛孔明らを祀る武侯祠があるなど、歴史文化都市でもあり、日本で言えば京都のような街である。
若い世代が多く住む成都市ではアニメ産業が10大産業の一つとなっている。
1月中旬にこの成都を訪問した際に、当地の事情に詳しい日本人のアニメ専門家の方から非常に興味深い話を伺った。
最近、中国人の若い人たちが1、2週間日本に旅行や出張に行くと、人格が変わるという話をよく耳にするそうである。
その人たちの共通点は幼い頃からよく日本のアニメを見ていたことである。以下では日本のアニメと中国文化の意外なつながりを紹介する。
2.日本のアニメは外国のアニメと本質的に異なる
前述のアニメ専門家によれば、日本のアニメは日本以外の国々のアニメとは本質的に大きく異なる、独特なものだそうである。
一般に外国のアニメは、主人公がかっこいい、あるいはかわいい、ストーリーにスリルがある、あるいは感動的なドラマがある、そして、ストーリーが1話で完結するといった特徴がある。
これに対して日本のアニメは元々紙の上に書かれた日本独特のコマ割りの漫画がベースになっている。ストーリーは1話で完結せず、延々と展開していくことが多い。
また、日本のアニメは主人公やそれを取り巻く登場人物のキャラが立っていて、人間模様のストーリーが展開していくのが大きな特徴である。
サザエさん、ちびまる子ちゃん、ドラえもん、アンパンマン、ワンピース、スラムダンク、キャプテン翼など、主人公は決してかっこいいだけのヒーローではない。
バカボンのパパのような常識外れの人物やルパン三世のような悪役の主人公までいる。
加えて、脇役もそれぞれが独特のキャラである。