多くの日本人は日本の伝統精神文化の素晴らしさを十分には認識していない。もっと世界に目を向け、世界中の人々の苦しみに対する思いやりを共有すれば、社会を安定させる精神文化を実践している日本だからこそできることに気づくはずである。
そこに気づいた人から、先頭に立って、自分なりのやり方で世界に向けて日本の伝統精神文化を発信し、グローバル社会の安定に貢献するべきである。
同時に、世界中の国々から日本への青少年訪問を促進し、日本の精神文化を直接体験してもらう機会を増やすことも大切である。
これらは政府だけがやる仕事ではない。個人でも企業でもNGOでも、誰もがその気になればできることである。
明治維新以来150年間にわたって、欧米社会思想をベースに西洋型政治・経済・社会制度を構築し、定着させてきた日本人だからこそ、東洋思想の本質を欧米諸国の人々にわかりやすく伝えることができる。
これは少なくとも現時点において日本人だけができることである。
西洋思想に基づくルール・ベースの社会制度の上に東洋思想の内面規範ベースの道徳観を導入することにより、世界が直面する社会分裂の苦しみを打開する。
言い換えれば、西洋と東洋の知の融合によりグローバルコミュニティの精神的安定基盤を醸成するのが日本の歴史的使命である。