ネットプロテクションズのオフィスのコンセプト。ABW(Activity Based Working)をもじって「ABT(Activity Based Talking)」としている。

 2018年に話題となった次世代型の組織像である「ティール組織」。ティール組織的な文化が根付いているというネットプロテクションズの実態から、ティール組織が「働き方」に及ぼす意味や実践のヒントを探っている。

 同社の組織風土づくりの背景を紹介した第1回に続き、第2回では「ティール組織」的な風土づくりに大きく寄与したワーキンググループ制度や、マネージャー職を撤廃した新・人事制度の中身について紹介したい。

第1回「話題の組織モデル、ティール組織の驚くべき成果とは」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55312

従業員の「WILLベース」で仕事をする

ネットプロテクションズ 人事総務/ビジネスアーキテクトグループの河西遼(かさい・りょう)氏。

 ネットプロテクションズが2012年に導入したワーキンググループ制度とは、個々人がメインの業務をもちつつ、業務時間の20%で自分の思いのあるプロジェクトに手を挙げてチャレンジする制度で、グーグルの20%ルールにヒントを得たものである。

 新卒採用や研修といった従来部署が担っていた短期業務的なものから、風土活性プロジェクト「きちんと わくLab」などの全社横断的なもの、「予算策定」といった経営陣の任務のようなプロジェクトもある。

「ワーキンググループ制度によって、個々人で自分の役割を主体的に決めて仕事をする、という組織風土が定着したと思います。20%はあくまで目安、その割合は増えるケースもあります」と話すのは、新・人事制度導入に携わった人事総務/ビジネスアーキテクトグループの河西遼(かさい・りょう)氏だ。2012年ころには、異動は希望制、兼任も認めるといった、業務選択の自由度・流動性を高める取り組みも行われている。