事務所を占拠された与党の院内代表は「反対ばかりする姿勢は責任ある態度ではない」と民主労総を批判した。

 青瓦台(大統領府)のナンバー2である秘書室長も「民主労総などはもはや社会的弱者ではない。社会的責任を果たすべきだ」と批判した。

 世論も民主労総に厳しい声が多い。現代自動車労組員の平均年収が1億ウォン近くに達していることなどから「民主労総は自分たちの利益しか考えない」との批判も根強い。

 では、民主労総離れが進んでいるのか。そうではないのだ。

 先に触れたように、最近になって非正規職の正規職転換が急速に進んでいる。

 新たに正規職になった場合も、これから正規職への転換を進めようとする場合でも、民主労総が「最も頼もしい存在」だ。

 財閥やIT企業など、これまで労組とは縁がなかった企業の間でも、「民主労総に加入すれば待遇が良くなる」という考えが浸透している。

 2016年末に73万人だった民主労総の加入者数は、2018年10月末現在で84万人に達している。2年間も経たない間に13%も増加しているのだ。

 全体の労働者から見れば、多数派とはいえないが、加入者が増えていることに民主労総執行部も自信を深めている。

 民主労総は、11月21日「弾力労働時間制」や「光州自動車プロジェクト」などに反対して、ゼネストを実施する。

 どの程度の組合が同調するかは未知数だが、経済環境が悪化する中でのゼネスト。

 「一般国民の視点からはかなり違和感がある。ただ、民主労総の力は無視できない。経済政策に苦労している今の政権にとっては、さらに頭の痛い問題」(韓国紙デスク)である。