こうした動きは、民主労総から見れば「裏切り」だ。だから秋以降、政権との対立も起き、激しい行動にも乗り出している。
さらに最近、決定的に関係を悪化させている事業がある。
光州自動車工場プロジェクト
「光州自動車プロジェクト」だ。
韓国南西部の光州に官民協力で新しい自動車工場を作ろうという計画だ。
現代自動車も参加して2022年までに7000億ウォン(1円=10ウォン)を投資して、軽SUVを年間10万台生産する工場を建設する。これにより1万人分の雇用を創出する狙いだ。
今の政府が最も頭を痛める雇用対策の目玉プロジェクトの1つだが、民主労総はこれに噛みついた。
賃金が3500万ウォンで今の現代自動車の半額以下。
「これは、組合から雇用を奪うばかりか、韓国の自動車産業全体の賃下げを意図するものだ」と強く反発している。
民主労総は、政府や光州市だけでなく、このプロジェクトに参加しようとしている現代自動車への圧迫も強めている。
政権内部からも批判はあるが、加入者は増加
こんな激しい対応に、野党や経営側、保守系メディアなどは厳しい批判をしている。民主労総の一部行動は不法だとして、政府の対応の甘さを指摘す声も少なくない。
これまでは、こうした批判にこれといった反応がなかった政権内部からも最近、民主労総への批判の声が出ている。