知識を一方的に伝える伝道師から子供の学びのファシリテーターへと変わりゆく教師の姿を描いた約40分のドラマが、今年1月から国営を含む3つのテレビ局を通じてミャンマー全土のお茶の間に繰り返し流されている。

 多い時は、日に4回放送されているという。

脱暗記中心型教育で一人ひとりに配慮

 1988年から20年以上にわたって続いた軍政が2011年に民政に移管され、国際社会への復帰を果たしたミャンマー。

 そんな同国を全面的に支援すべく、日本は長らく緊急人道支援に限定していた政府開発援助(ODA)の対象を大幅に拡大し、鉄道の改修やティラワ経済特区(SEZ)の開発、法整備支援など、経済発展や投資環境整備を通じて近代化を後押ししてきた。

 同時に、自ら考え、主体的に動いて新しい国づくりを担っていく次世代を育成するために壮大な取り組みも進んでいる。

 2014年には、国際協力機構(JICA)の下で現在の暗記中心型教育を抜本的に改革するための協力がスタート。

 軍政の下で編纂された初等教育のカリキュラムを一新し、国語(ミャンマー語)、算数、理科、社会、音楽など、全9教科10科目の教科書を改訂するため、各教科の専門家が検討を重ねている。

 2017年6月に1年生用の新しい教科書が全国の小学校で配布されたのを皮切りに、翌2018年6月には2年生の授業にも新しい教科書が導入された。

 現在は、3年生用の改訂が進んでおり、2021年6月までに小学校のすべての学年で新しいカリキュラムに基づいた授業が行われる予定だ。