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韓国人の羨望の的、ガッセン

 最近、知人がしきりに「会社に『God生』を実践している子がいて羨ましい」と言う。

 朝早く起きて水泳、語学勉強、会社ではキャリアウーマンとして仕事をバリバリこなし、必要なら残業も厭わず、夜はランニングをするという。

 趣味も仕事も健康面もきちんと考え、何でも一生懸命にしながら生きることを韓国では「God生(ガッセン)」という。

 ガッセンとは、「ゴッド(God=神)」と「人生」をかけ合わせた造語で、一日一日を計画的に一生懸命生きていき、ほかの人の模範となる人生のことをいう。

 ぐうたらな筆者にとって、一寸の暇さえ見えないそんな暮らしがなぜ羨ましいのか全く分からないが、韓国ではそんな人を羨む。

 数年前から「六角形人間」という言葉も耳にするようになった。

 自分の息子が「六角形」に近いと言われて嬉しいとか、自分は六角形からかけ離れているとか、最初に聞いたときは何のことやらさっぱり分からなかった。

「六角形人間」というと、顔が六角形なのかと思いがちだが、実はレーダーチャートのことである。

 複数の項目がある変量を構成比に直すことなく六角形上に表現したグラフのことだ。

 中心を「0」とし各項目ごとに値が大きいほど外側に表現されるので、六角形になることは「完璧」を表すのだ。

 毎年韓国のトレンドをまとめている『トレンド・コリア24』という本では、「六角形人間」を外見、学歴、資産、職業、家柄、性格、特技など(もしかすると6つ以上になる)で、すべての面で弱点のない人のことだという。

「そんな人いる?」と疑ってしまうが、SNS上には六角形人間のような人がたくさんたむろしている。

 実際はどうであれ、多くのフォロワーを持っている人はすべてを兼ね備えているように見えるからだ。