2011年の民政移管や2013年の検閲制度廃止を受けて新しいテレビ局の設立が相次ぐ一方、資金や人材の不足が原因で魅力的なコンテンツが少なく、韓国やインドなどからの調達が多い同国において、ドラマや音楽などこれまで遅れを取っていた日本のコンテンツ普及を促進する狙いだ。

 その意味では、日本の知見と技術を生かして日本人の下で現地制作され、全国に届けられた冒頭のドラマは、期せずしてその先陣を切る形になったばかりでなく、現地発のコンテンツの共同制作という観点からも、時流を先取りした取り組みだったと言えよう。

 表現の自由が実現し、コンテンツ産業が盛り上がりを見せる同国では、今後、日本の協力を現地に伝える広報にもますます新たな発想が求められることになりそうだ。