大掛かりなことは準備も必要で、気持ちのうえでも始めることが大変です。さらに、たとえやり遂げることができたとしても、もう一度やろうとはなかなか思えません。大がかりな業務改善を行うことの問題点は、一度きりになって改善が続いていかないことです。

 市場や外部環境が変われば、事業が変わり、それを支える業務も変わらざるを得ません。ずっと変え続けていくために、少しずつ取り組んでいくことがポイントになります。

 扱う単位を小さくすることで気軽にして、何度でも取り組めるようにする考え方を、私たちは「小口化」と呼んでいます。

 なにをするにも小口化すると、とっかかりのハードルが下がって気軽にできるようになります。少しずつ取り組んでいるうちに当たり前にできるようになってきます。そうすると習慣になります。小口化した業務改善を続けて習慣にしていきましょう。

改善点を共有するための「ふりかえり」

 小さな業務改善が大事だといっても、どこから始めていいかわからないかもしれません。周囲の人たちの理解が得られないこともあります。自分にとっては問題を感じていることでも、他の人は感じていないからかもしれません。

 そんなときに最初にするのはチームでの「ふりかえり」です。現場で起きている問題の原因を探り、そもそもから考え直して改善案を出すための時間です。

 ふりかえりは反省会ではありません。現場で起きている良かったことも共有します。

 もちろん、問題だと思っていることも話します。犯人探しをするのではなく、現場の人たちが感じている問題点の共有をすることから始めます。問題点を出すといっても難しく考える必要はありません。日々の仕事の中でモヤモヤしているようなことを素直に言ってもらうので構いません。