前回は、業務改善の手法としてトップダウンの大げさなシステム導入ではなく、現場主体に小さな工夫と改善を繰り返していく「業務ハック」の考え方について紹介しました。

 そして業務ハックを続けていくことで、仕事のあり方や働き方が変わっていくということ。社員にとって働きがいと働きやすさの両立した職場を実現することができた事例として、ペーパーレスやリモートワークを実践した私たちソニックガーデンの新しい働き方についてお伝えしました。

(前回の記事)
現場を苦しめる「働き方改革」よりも「業務改善」を
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53058

 第2回となる今回は、業務ハックがもっとも効果的に働く会社の屋台骨を支えるバックオフィスでの工夫について、その効果も含めて紹介します。

放置されがちなバックオフィス業務の改善

 私たちのような中小企業、特にうまく事業が成長している企業では、バックオフィスの整備やシステム化が間に合わなくなる事象が起きがちです。

 事業がうまくいけばいくほど、新しい人を採用しても営業などの事業を拡大する部署に配置してしまうという話をよく聞きます。同じ経営者として気持ちはわかります。

 その結果、バックオフィスの人は増えないのに扱うデータや書類の数は増えていき、人数が少なかった頃の業務フローのままでは回らなくなる。そうして、バックオフィスの現場からは悲鳴があがるのです。そうなってしまうと、せっかくうまくいっている事業の成長を阻害することになりかねません。

 大企業のように数年先を見越した要件定義とシステム導入を行っている余裕は、経済的にも時間的にもありません。もっとも効果のありそうな箇所から少しずつ改善をして、成長しつつある事業にあわせてバックオフィスも成長させていく必要があります。

 そこで、業務ハックの出番となるわけです。