これからの働き方は

――これからの女性の働き方は、どうなっていくと考えられますか。

川上 主婦の働き方、また女性が活躍するための課題として、一番に「そもそも条件に合う仕事が少ない」というのがあります。女性活躍推進法ができた頃に、企業に何を求めるかを調査したところ、保育所を求める声もたくさんありましたが上位から4番目でした。一番は時短や日数など、自分の条件に合う仕事をもっと増やしてほしいというものでした。

 いま、求人倍率が上がっているといいますが、働く主婦層からするとそこまでの実感はありません。たとえば、仕事の内容、給料、通勤場所、社内の雰囲気など、他の条件がどんなに良くても、17時までに子供を迎えに行かなければならない人は、仕事の定時が17時までだと、それだけで無理なのです。

 主婦たちの条件に合う仕事が足りないという認識が、世の中にまだまだ足りないと思います。

――時間の制約は大きいですね。

川上 もう1つ大事なのは、拘束時間で評価して給料を払うという考え方自体が、ネックになってしまっています。拘束時間ではなく成果に対して給料を支払うという形にしていく必要があります。特に、時間制約のある主婦層にとっては、そこはすごく大事なポイントです。

 例えば子どもが急に熱を出して早く帰らなきゃいけないというときに、「時間は任せますよ、ただ来週までにこれをやっておいてもらえますか」というのが明確だったら、その人は自分のスケジュールをやりくりできますよね。仕事の考え方自体もそちらに変わっていけば、こういう問題も解消されていくと思います。根本的な仕事のあり方を今こそ見直すべきなのです。