会社員にとって副業は、本業以外で能力を発揮する機会がもてるだけでなく、万が一、会社が倒産したときのリスクヘッジにもなる。会社にとっても、社員の視野が広がり、新規ビジネスのネタが得られるなどメリットがたくさんある。また社会的にも、経済活性化にもつながることが期待され、安倍内閣は副業の推進を唱えている。

 ところが、日本企業はあいかわらず社員の副業に否定的だ。中小企業庁がリクルートキャリアに委託して2014~2015年に行った調査では、85%の企業が副業を「認めていない」と答えている。明白な支障がないかぎり副業を認めている欧米などとは対照的だ。

 会社としていきなり副業解禁に踏み切るのが困難だとしたら、せめて社内で本務とは違う仕事をする機会を認めてはどうか。「働き方改革」が待ったなしの今は、そのチャンスである。

空き時間の浪費は大きな損失

「働き方改革」で残業削減に取り組む企業が増え、なかには「残業ゼロ」を実現した企業もある。しかし、毎日の仕事がちょうど定時にかたづくとは限らない。それでも残業をなくそうとすれば、忙しい日に合わせて仕事量を設定しなければならず、暇な日には空き時間が生じる。また会議や打ち合わせの開始時刻が変更になるとか、予定がキャンセルされたとかいった理由で時間が空くこともある。さらに閑散期には、もっとまとまった空き時間が生じる場合もある。