働き方は1つとは限らない。

 希望者は原則として副業・兼業を行うことができるようにする――。これは、一億総活躍社会を目指す「働き方改革実行計画」で、柔軟な働き方を促進するために、政府が掲げている目標の1つである。

 現在は、多くの企業が、就業規則によって従業員の副業・兼業を原則禁止している。労働人口が減少する社会において、これまで1つの企業内に留まっていた人材の活用を、副業・兼業によって外に開放し、社会全体で生産性を高めることを狙いとする。

 働く個人にとってのメリットとしては、今の勤め先だけでは得られないスキルや能力、視野の獲得や、第2の人生の準備としての有効性が挙げられている。

副業は、自分には関係がない?

 そうはいっても、フルタイムで働く正社員の多くは、この話は「自分には関係のないことだ」と捉えるかもしれない。

 日本型の雇用システムの中で、職種や地域の異動を受け入れ、長時間労働もいとわず、会社主導のキャリアを歩んできた。今の勤め先の仕事で精いっぱいだし、そもそも、勤め先が就業規則で副業・兼業を禁止してきたことさえ知らなかった。というか、そこに関心がなかった。たとえ、この長時間労働が解消されて、副業・兼業ができる時間ができたとしても、社外で通用する自分のスキルや能力は何なのか、答えが出ない・・・という人も多いと思う。

「エンジニアとか医療の資格を持った人や、専門性が明確に示せる人しか、始められないのでは?」。副業・兼業に取り組む気持ちがあるのかを周囲に聞いてみると、このような意見が多く返ってきた。