収束と発散、それぞれの思考作業にマッチした椅子
井上 触覚については椅子でアプローチしています。ロジカルに考えて物事を詰めていく「収束系」、アイデアを広げていく「発散系」、またはその中間という3種類に思考形態を分類し、それに合った姿勢が取りやすい椅子を用意し配置しています。これは「視線の角度によって得意な思考方法が異なる」という研究結果に基づいたものです。
――収束系と発散系、具体的にはどんな椅子なのですか。
井上 収束系では下を向く、発散系では上を向く姿勢が適切なので、そのような姿勢が維持しやすい椅子を用意しました。発散系の椅子は窓際に並べて、外の風景を眺めながら作業ができるようにしました。外の風景は発想を広げる上で適度な刺激にもなりますし。
最後の味覚については、カフェスペースに集中力というコンセプトに合った食品を用意しました。集中するためには、適度な緊張とリラックスの“同居”が必要です。カフェインにより緊張感をサポートするためのコーヒー、それからテアニンが含まれていてリラックス効果が期待できる紅茶、という具合に両方を用意し、利用者の状態に合わせて選択できるようにしています。また、脳の働きを促すには血糖値のマネジメントが重要です。そこで軽食として低GIの食品などを準備しました。
固執しない姿勢がデジタル活用を最大化
――Think Labを2017年12月にオープンさせてから2カ月ほどが経過しました。反響はいかがですか。
井上 企業からの相談が複数寄せられています。内容としては、自社オフィスにThink Labの要素を取り入れられないかというものです。今後どのように対応させていただくかを検討している最中です。