――集中力アップに適したオフィス設計のコンサルティングサービスを提供するかもしれない、ということでしょうか。
井上 強いご要望があれば、そのような可能性もあり得ると思います。実は最初、Think Labは自社内のオフィスとして企画を進めていたのですが、世間における潜在的なニーズが強いであろうことから、外部にも開放することにしました。もしかすると、飯田橋(JINSの本社所在地)以外にもThink Labをつくろうかという話にもなってくるかもしれません。
――“眼鏡屋さん”が眼鏡型のデジタル機器で計測した結果をトリガーにして、集中力を売りにした会員制ワークスペースのサービスを始める。デジタル時代ならではの面白い事業の生まれ方だと感じました。
井上 多くの人が認識しているように、産業界の動きが激しいがゆえに、モノやサービスをただ売っていくだけだと、ライバル企業に簡単に席巻されてしまう時代です。つまり当社の場合で言えば、ひたすら従来型の眼鏡を売り続けているだけでは遅かれ早かれ限界が来るというわけです。
実は当社の創業者である社長の田中は、ジンズが一般的な眼鏡屋であるという感覚を持っていないんです。「自社の提供価値の最大化を図る。そのために今は眼鏡という商品を選択している」、そのようなニュアンスです。
そして、彼はこだわりはあるけれども、固執はしていない。だからこそ「JINS MEME」のようなデジタルデバイスの開発に着手できたし、Think Labのようなワークスペースのサービスを開始できたのだと思います。