アメリカでは現在も州レベルで禁酒法が生きている(写真はイメージ)

 本日(1月16日)は「禁酒の日」だ。

 といっても、日本は「新年会シーズン」の真っ盛りであり、飲酒の機会も多い。そう考えると、あまりにもタイミングが悪い。日本での認知度がきわめて低いのも当然だろう。

 そこで今回は、あえてこの時期に「禁酒」について、米国を中心に歴史を踏まえながら考えてみたいと思う。

米国の禁酒法は失敗に終わった“社会実験”

 なぜこの日が「禁酒の日」かというと、かの悪名高い「禁酒法」がアメリカで施行されたのが、いまからほぼ1世紀前の1920年1月17日の午前0時だからだ。

「合衆国憲法修正第18条」(1917年可決、1919年1月29日発効)により、「アルコール飲料の製造・販売・輸送・輸出入の禁止」が実行に移された。連邦レベルでの施行である。

「禁酒法」というと、シカゴを舞台にした映画『アンタッチャブル』を連想する人も多いだろう。密造酒などの組織犯罪で荒稼ぎしたギャングのアル・カポネと、米国連邦政府の内国歳入庁(IRS)の特別捜査官エリオット・ネスとの対決を描いた映画だ。