好き嫌いは別にして、トランプ大統領のこうした側面は事実として知っておいたほうがいい。アルコールだけでなく、ドラッグはもちろんのこと、タバコも吸わず、コーヒーも飲まないと公言している。その点に関しては実に徹底している。

アルコール依存症を克服したブッシュ元大統領

 破天荒なトランプ大統領の影に隠れて、いまではすっかり過去の人になってしまっているが、これまた悪評さんざんだった共和党のジョージ・ブッシュ(ジュニア)氏もまた「禁酒」の人であった。

 ブッシュ元大統領もまた、石油業界での実業家経験をもった人だが、「禁酒」するようになったのは自身がアルコール依存症になっていたからである。配偶者のローラ夫人の支えもあって、40歳の誕生日前後から禁酒を続けアルコール依存症を克服している。

 それ以来、福音派のメソジスト教会に属する敬虔なキリスト教徒として、毎朝5時に起床し祈りをささげることが日課になっているという。規則正しい生活リズムがあってこそ大統領になることができたのは間違いない。

ブッシュ元大統領、トランプ政権を暗に非難 「偏狭さの助長」警鐘

米テキサス州ダラスで演説するジョージ・W・ブッシュ元大統領。若かりし頃、アルコール依存症で苦しんでいた(2016年7月12日撮影、資料写真)。(c)AFP/MANDEL NGAN〔AFPBB News

 21世紀になってから大統領に就任した2人が、本人や親族の問題としてアルコール依存症を抱えていたことは、ストレスの多いアメリカ社会の反映と考えるべきだろう。アメリカでは、アルコール依存症だけでなく薬物依存になってしまう人が少なくない。