トランプ氏の韓国批判、同盟に亀裂も 北朝鮮の思うつぼ

米ホワイトハウスで共同記者会見に臨んだドナルド・トランプ米大統領と韓国の文在寅大統領(2017年6月30日撮影)。(c)AFP/JIM WATSON 〔AFPBB News

 米国と中国は、もちろん、韓国の産業界にとって圧倒的に重要度が高い2大市場だ。この両国で最近、韓国企業の不安感が高まっている。

 企業活動に悪影響を与えかねない措置が相次いでいるからだ。安保問題も絡んでいるとの見方もあり、対応は容易ではない。

 2017年10月11日、ソウル中心部にある大韓商工会議所の会議室。ふだんは、めったに同席することがないサムスン電子とLG電子の役員が、重苦しい雰囲気の会議に揃って出席した。

洗濯機にセーフガード?

 「洗濯機セーフガード(緊急輸入制限措置)対策会議」

 韓国政府が開いた緊急会議だった。

 10月5日(米時間)、米国の国際貿易委員会(ITC)は、サムスンとLGの輸入洗濯機が米国の業界に深刻な被害を与えていると判定した。10月19日にこの問題についての公聴会の開催が決まり、急遽、対策会議を開いたのだ。

 「今さらなんで洗濯機なのか?」。韓国内でもこんな反応は多い。

 実は、サムスンとLGは、数年前から、「白物家電」のグローバル市場、特に、米市場での新規開拓に力を入れており、このうちの戦略商品の1つが「洗濯機」なのだ。

 大型の高品質ドラム式洗濯機を相次いで米国で発売し、消費者の間で高い評価を得ていた。

 韓国メディアによると、両社とも最近3年間でシェアをぐんぐん伸ばし、それぞれシェアが20%近くに達している。両社の洗濯機の米国での販売額も合わせて、1兆ウォン(1円=10ウォン)を超えていると見られる。