2017年10月13日、サムスン電子の代表理事である権五鉉(クォン・オヒョン=1952年生)副会長が、辞任する意向を明らかにした。これを機に韓国メディアは一斉に、グループ全体で大型刷新人事が必至だと報じている。
問題は、「総帥不在」の中で、いったい誰が人事を決め、誰がグループのリーダーとなるのかが、見えないことだ。
「かなり前から考えてきたが、これ以上、引き延ばすことはできないと判断した」
権五鉉副会長は、社内メッセージでこう説明した。
半導体躍進の功労者
権五鉉副会長は、サムスン電子の代表理事(代表取締役に相当)、理事会議長、最大の稼ぎ頭である半導体部門(DS部門)の部門長と液晶などを手がけるサムスンディスプレーの代表理事などを兼務する。事実上のサムスン電子のCEO(最高経営責任者)役割を務めている。
代表理事や理事会議長職は2018年3月の株主総会まで維持するが、部門長などについては後任者が決まり次第、退く意向だ。
権五鉉副会長は、ソウル大電子工学科を卒業後、韓国科学技術院で修士号を取得後、1985年にサムスン入り。6年後には、役員になった。DRAM開発の中心として実績を上げ、その後も「超高速昇進」を続けた。
2004年に社長、2011年に副会長となった。
ちなみに、サムスングループ全体で「副会長」という肩書きを持つのは、今は、事実上の総帥である李在鎔(イ・ジェヨン=1968年生)氏と権五鉉氏の2人だけ。2人とも、サムスン電子副会長だ。