韓国政府や産業界にとって悩ましいのが、米国と並ぶ巨大市場である中国との間でも、様々な問題がくすぶっていることだ。

通貨スワップ協定延長満了

 10月10日、中韓政府間で結んでいた「通貨スワップ協定」が満了した。560億ドル規模の協定で、韓国側は延長を望んでいたが、中国側が満了日までに延長に応じなかった。

 韓国政府が2016年7月に地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD=サード)の韓国内配備を決めたことに中国政府が強く反発し、両国関係は冷え込んでいる。

 両国関係は、政治外交分野にとどまらず、経済分野にも影響を与えている。

 中国に進出しているロッテや新世界グループなど大手流通企業は、政府による営業停止処分や販売不振などから中国事業の縮小を決めた。現代自動車も売り上げ急減に陥ってしまった。

 観光業界にも大きな影響が出ている。

 韓国政府や産業界の間では、「通貨スワップ協定」の延長を機に、中韓関係を改善させたいとの思いがあった。

 いずれは延長するにせよ、期限内延長が実現しなかったことで、「冷たい関係がしばらく続く」という悲観論も出ている。

 韓国経済はいまのところ、比較的好調だ。輸出も企業業績も好調だし、株高も続いている。ただ、通商問題でのもやもや感は産業界に急拡散している。

 「絶好調の半導体市況の先行きとともに、通商問題がこれからの大きな懸念材料だ」

 証券アナリストも、米国と中国の出方に注目している。