2017年8月25日、ソウル中央地裁は、サムスングループの事実上の総帥である李在鎔(イ・ジェヨン=1968年生)サムスン電子副会長に対して、懲役5年の実刑判決を言い渡した。
サムスンや産業界にとっては衝撃的な判決だが、専門家にとっても判決内容は驚きだった。
8月28日、李在鎔副会長は、1審判決を不服だとして控訴した。
「実刑判決は避けられないのではないか」――判決前、産業界やメディアの間では、こんな「事前予想」が多かった。その通りと言えばその通りの判決ではあった。
2人の前専門経営者にも実刑判決
李在鎔副会長と、サムスングループの副会長、社長、専務(いずれもすでに辞任)に対する判決は、厳しい内容となった。
88億ウォン(1円=10ウォン)の賄賂罪などで実刑となった李在鎔副会長は拘置所に戻り、サムスングループの「財閥本社」ともいえる未来戦略室(すでに解体・廃止)のトップだった崔志成(チェ・チソン=1951年生)前室長兼副会長など2人が懲役4年の実刑、前社長と専務が執行猶予付きの有罪判決を受けた。
崔志成前副会長は公判で「すべては私に責任で李在鎔副会長は詳しいことは知らなかった」などと証言していた。結局、自分も実刑判決を受けてしまった。
特別検事は、李在鎔副会長などが、朴槿恵(パク・クネ=1952年生)前大統領に、李在鎔副会長へのグループ経営権継承作業を支援する見返りとして巨額の資金を提供したとして、起訴していた。
李在鎔副会長への容疑は、「賄賂供与」「資金の海外への不法送金」「証拠隠滅」「横領」「国会での偽証」の5つだった。
すべてが有罪となり、実刑判決となった。