サムスン、LGの攻勢に危機感

 これに危機感を抱いたのが、米ワールプールだ。「毎日経済新聞」によると、ワールプールは2017年5月、「サムスンとLGが米国で洗濯機を人為的に低い価格で販売した」などとして、ITCにセーフガードの発動を請願していた。

 ITCは、公聴会を経て12月にもドナルド・トランプ大統領に対して具体的な救済を建議する可能性が高い。その後、60日以内に最終措置が決まる。

 韓国メディアは、「セーフガード発動の可能性が高い」と報じている。最終措置には、関税を課すことや輸入制限などが含めれる恐れもある。

 サムスンとLGは、米国内に工場を建設する方向で検討もしている。

 米政府の韓国に対する強い姿勢はこれだけではない。

太陽光パネル、鉄鋼、樹脂、次々と・・・

 9月22日、ITCは韓国と中国、メキシコからの太陽光パネル、電池の輸入品が米業界に深刻な被害を与えていると判定したばかりだ。

 いずれのケースも、セーフガード発動となれば、2002年に韓国産などの鉄鋼製品に対する措置以来16年ぶりとなる。

 これだけではない。ITCは9月26日、韓国など5カ国からのPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂に対してダンピング調査に着手した。

 2012年から課している韓国製電力変圧器に対するダンピング関税を5年間の期限である2017年末以降も延長するかどうかの検討にも入った。

 トランプ大統領はこれより前の4月には、長年、適用したことがない「通商拡大法232条」を根拠に、ポスコ製などの鉄鋼製品の輸入が米国の安全保障に悪影響を及ぼしているかどうかの調査を命じた。

 「まさか、韓国製品を狙い撃ちしているわけではないのか」

 韓国紙デスクは一連の米政府の措置に警戒感を強める。