「働き方というのを、皆さん勘違いしています。たとえば、何時に会社に来て何時に帰るかとか、そういう制度みたいなことではありません。自分はどういう風に、自分を会社にもたらして、どんな価値を出しているという根本なのです」

 では、目指すべき働き方とは、いったいどのようなものだろうか。

「自分の持っている“価値”を直感的に出している、自分しかできない“価値”を出している。そういう働き方のできる仕事が大切なのではと思っています」

 自分が代わりのきかない存在として認められれば、たしかに生き生きと働けるのかもしれない。

「さらに、その自分の仕事の価値をちゃんと評価してくれる上司がいるとなおよいです。例えば、僕のスケジュールを管理してくれるアシスタントには、そのスケジュールの整理が僕にとってどれだけの価値があるか、毎日言っています。だから、『価値を感じる』というのを、作らないといけない」

 上司や同僚が認めてくれれば、承認欲求は満たされ、さらにモチベーションは上がるもの。しかし、そのような周囲に恵まれない場合は、どうしたらよいのだろう。

「その場所で自分の価値を出せないのなら、違う場所に行った方がいいと思います。転職というのは、悪いことではないですし」

「自己開示」できる環境が必要

 それでは、具体的に働き方を見直すとして、どのようなアプローチで考えればいいだろうか。

「働き方については、個人のパフォーマンスとチームのパフォーマンス。あと、短期的か長期的かという軸があります」

 個人とチームの違いは理解しやすい。では、短期的、長期的な軸はどう捉えたらよいか。

「短期的には、今日の生産性をいかに高めるか。たとえば、会社に来たときに、頭が痛ければ、それをどうするか考えなきゃいけない。自分しかできないことをいかに今日やるか、あとチームでいかにその生産性を高めるか、ですね」

 では、長期的にはどう考えたらよいか。