いま、日本中で「働き方改革」が叫ばれている。その中で、テレワークや労働時間の変更など、さまざまな制度や取り組みが議論され、実行に移されてきている。
しかし、そもそも、なぜ「働き方改革」をするのだろうか。我々はどのような仕事のあり方を望んでいるのだろうか。そこを整理しないままでは、行き着く先は満足につながるものではなくなってしまうだろう。
そのような根本を問い直すイベントが、2017年9月1日、京都の妙心寺退蔵院で行われた。「元Google人事と語る『新・働き方改革』」(主催:シンク・アンド・アクト株式会社)と題して、グーグルで人材育成や組織開発に取り組んできたピョートル・フェリークス・グジバチ(Piotr Feliks Grzywacz)氏を囲み、約3時間にわたって、仕事や働き方を語るというものだ。
イベントの形式は、ピョートル氏のトークと、それに対する参加者とのやり取り、また参加者同士がペアやグループを組んでのワークと、それぞれが入り組んだ作り。
「僕にとっては、仕事は他人に“価値”を提供すること」と語るピョートル氏。彼の考える「働き方改革」とは、どのようなものだろうか。
自分にしか出せない“価値”を
そもそも、なぜ「働き方改革」なのだろうか。それを考えるためには、まず仕事というものを捉え直す必要があるだろう。ピョートル氏は、仕事についてこう考える。
「建設的に、何らかの形で、人に貢献、人生に価値をもたらすという考え方にしたのです。その価値を提供すると、何か戻ってくる。たとえば感謝が帰ってくるか、お金が戻ってくるか。要は価値があったという指標がどこかにある」
そのような視点に立つと、働き方改革とは、どう見えるのだろうか。