そこで、2006年から私たちの経営理念と企業文化にフィットする人だけに採用の間口を絞ることにしました。ですから新卒セミナーでは、入社後のミスマッチを防ぐために仕事内容よりも経営理念や社是の話を注力して伝えます。その結果、今では経営理念に共感する社員が集まる会社になりました

──採用時からフィルターがかかっているわけですね。

羽田 採用ではかなりフィルターをかけています。例えば、どんなにスキルがあっても企業文化に合わない人は採用しませんし、「成長したい」としか言わない人も採用しません。

──それはなぜですか。

羽田 単純に「成長したい」という願望には、「何がしたいのか」という“向き”がないですよね。その「何がしたいのか」の方向が当社の企業理念と合っていれば採用します。例えば、教育事業をやりたいという学生は不動産情報サービス業とは直結しませんが、経営理念の方向性には合っているので採用します。成長意欲のある人はもちろん歓迎しますが、ただ成長が目的という人は採用しないようにしています。

──そうやって採用を変えたのが、今のいわゆるモチベーションの高さにもつながっている。

羽田 間違いなくそれは言えると思います。

──経営理念や企業文化が、LIFULLのまさに核になっているのですね。

羽田 そのとおりです。人事に関してこの12年でいろいろなことをしてきましたが、会社としての最大の変化は、みんなが経営理念の実現に向けて挑戦し、そこに集中して事業を行えるようになったことだと思います。