──それはどんな企業文化なんでしょうか。

羽田 当社の社是は「利他主義」です。“全方位の人たちに何らかのアクションを起こすことで、相手を笑顔に、ハッピーにしよう”という価値観です。当社のすべての活動の中心に利他主義が据えられています。

 だから当社の社員は「人がいい」と言いますか、社員みんなが利他主義を企業文化として醸成してくれているので、そういう数字が出ているのではないかと思います。

──企業文化と働き方がつながっているんですね。育児休暇を取った女性がみんな復職するというのも、社是とつながっているんでしょうか。

羽田 復職した女性社員によると、やはり周りの人がかなり助けてくれたり、支援してくれるそうです。だから自分も頑張ろうという気持ちになる、ということを言っていましたね。

──やっぱり「働き方」の根底に企業文化があるわけですね。

羽田 その影響はかなり強いと思います。

全社員が持ち歩くビジョンカード

──羽田さんの著書『日本一働きたい会社のつくり方』を読んで最も印象的だったのは、人事に関するすべての施策が経営理念や企業文化(社是やガイドラインなど)とつながっていることです。LIFULLの社員は、社是、経営理念、ガイドラインを記した「ビジョンカード」をいつも持ち歩いているそうですね(以下がライフルの社是、経営理念、ガイドライン)。ビジョンカードはいつからあるのですか。

[社是]
利他主義
[経営理念]
常に革進することで、より多くの人々が心からの「安心」と「喜び」を得られる社会の仕組みを創る
[ガイドライン]
1.真理を探究し続ける
2.革進の核になる
3.最速で価値を提供する
4.高い目標を掲げる
5.計画を立て完遂する
6.一点の曇りもなく行動する
7.真のチームワークを築く
8.すべてのステークホルダーを重んじる