コーヒーを飲んでボーっとしているように見えても、頭の中はフル回転しているかもしれない(写真はイメージ)

仕事の「コアの部分」が見えなくなった

「第4次産業革命」といわれるいま、生産現場やオフィス、店舗などあらゆるところへロボットやAI(人工知能)の導入が急速に進み、単純作業はもとより、管理的な業務や専門的な仕事まで人間に取って代わろうとしている。雇用や能力開発、働き方に大きな影響を与えることはいうまでもない。

 そしてもう1つ、マネジメントに与える大きな影響がある。

 それは、これまで当たり前のように行われてきた人事評価や勤怠管理が意味をなさなくなるということだ。

 IT(情報通信技術)の発達により、肉体労働だろうと事務作業だろうとパターン化できる仕事、すなわちインプットとアウトプットの関係が認識できる仕事は次々と機械やコンピュータに置き換わっていった。IoTやAIがさらに普及すれば、人間の出番はますます少なくなる。

 ただ逆にいうと、パターン化ができない仕事はなかなか代替されないということである。たとえばアイデアや勘、ひらめきが生まれるメカニズム、想像や感性による仕事などはパターン化が困難である。なぜなら、インプットとアウトプットの間に介在する重要なプロセスが人間の頭の中にあるからだ。人間の頭はいわゆるブラックボックスであり、そのメカニズムを正しく理解することはではない。だからこそ機械やコンピュータで代替できないわけである。