この星空の果てがどうなっているか、少しずつ分かっていくかもしれない。

 筆者がJBpressを介して皆様にこうして記事をお届けするようになって1年経ちました。1年の間には、X線天文衛星「ひとみ」に悲劇的な事故が起きたり113番元素がニホニウムと命名されたり熱力学・統計力学の新たな法則が発見されるなどなど、驚きのニュースが相次ぎました。自分の記事の目次を見返して、いろいろあったなあと感慨にふけっております。

 科学のニュースはいつでもどれでも驚きなのですが、実は私たちの宇宙観を変えるほど超重要な発見や衝撃的な報告が、この21世紀に入ってから相次いでいるのです。16%が経過した21世紀に、どんな事件があったか、宇宙の姿がどう変貌したか、最近の件からさかのぼって思い出してみましょう。

2015年、重力波発見

 アインシュタインの一般相対論が予言する、時空のさざ波「重力波」は、検出が極度に困難なため、100年の間、検出は不可能でした。

 しかし2015年9月14日9時50分45秒(世界標準時)、巨大で精密な重力波検出装置LIGO(ライゴ)が、人類史上初めて重力波を検出することに成功しました。太陽質量の36倍と29倍のブラックホールが13億年前に衝突・合体し、その際に放射された重力波が地球に到達し、LIGOをほんのわずかだけ振動させたのです。

 これにより、重力波とブラックホール両方の存在が疑問の余地なく証明され、同時に重力波天文学が創始されました。

 2017年現在、LIGOは2期目の観測を行なっています。今回は何が飛び出てくるのか、楽しみに待ちましょう。