2 個のブラックホールの衝突シミュレーション。画像はThe SXS (Simulating extreme Spacetimes) より(一部トリミングして使用)

  2015年9月14日9時50分45秒(世界標準時)、人類の観測装置が初めて「重力波」を捉えました。

 アメリカにある2台のレーザー干渉計重力波観測装置「LIGO(ライゴ)」が、宇宙から到来した重力波を検出したのです。

 得られた重力波は、2個のブラックホールが衝突・合体した場合に予想される波形と合致しました。

 2個のブラックホールが13億年前に合体し、そのすさまじい衝突によって放射された重力波が13億年かかって私たちの銀河系に到達し、ごくわずかにLIGOを揺るがし、検出されたのです。世界の研究者は狂喜乱舞しました。

 さて、どこかの装置が奇妙な信号を受信したことが、どうして大ニュースなのか? 研究者はどこに興奮しているのか? 皆さんは子どもに聞かれたらどのように答えますか・・・。では、そのポイントを解説しましょう。

驚きその1: アインシュタインすげぇ!

アルベルト・アインシュタイン (1921)。wikipediaより

 相対性理論は20世紀初めにアルベルト・アインシュタインが作り上げた重力理論です。

 相対性理論によると、私たちの住むこの時間と空間(合わせて「時空」)は、微妙に伸びたり、しわが寄ったりするのです。

 そのしわが寄った時空を物体が横切る際には、真っ直ぐ進めずに軌道が曲がり、すなわちこれが重力に引かれた物体の運動だというのです。

 時間と空間にしわが寄るとは、考えると脳にしわが寄りそうな奇妙な主張ですが、これは太陽の近くを周回する水星の軌道などをうまく計算できました。重力がきわめて強いところの物体の振る舞いは、ニュートンの万有引力の法則では説明できず、相対性理論が必要になるのです。