中国・西安市の大慈恩寺大雁塔。サムスン電子は中国の西安工場で3次元NANDフラッシュメモリを量産している(資料写真)

 ビッグデータの時代が到来した。現在、世界で生み出されているデータ量は約8ZB(ゼータバイト)を超えた。1ZBは10の21乗である。新聞5枚分のデータ量が1MB(10の6乗)に相当し、1ZBは75億年分の新聞のデータ量になるという。もはや私には、8ZBがどれほど凄まじいデータ量なのか、想像ができない。

 野村証券によれば、8ZBの15%(1.2ZB)がストレージされており、その内訳は、ハードディスクドライブ(HDD)が90%、NANDフラッシュメモリ(以下「NAND」)が10%であるという。つまり、NANDがストレージしているデータ量は、0.12ZBということになる。

 現在、NANDを生産しているのは、サムスン電子(35.1%)、東芝(21.6%)/サンデイスク(15.1%)、マイクロン(13.3%)/インテル(6.9%)、SK Hynix(7.9%)である(カッコ内は2016年第一四半期の売上高シェア、図1))。これら4グループのNAND工場キャパシティを合計すると、300mmウエハで月産150万枚になる。月産10万枚の工場(ギガファブ)が15個あるということである。

図1 NANDフラッシュメモリの企業別シェア
出所:DRAMeXchange、2016年5月

(* 配信先のサイトでこの記事をお読みの方はこちらで本記事の図表をご覧いただけます。http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47207)

 2020年に人類が生み出すデータ量は44ZBになり、そのうち解析可能なデータは15ZBになるという(EMCの協賛でIDCが実施したデジタルユニバースの調査)。この15ZBをストレージするために必要となるNAND工場のキャパシティはどのくらいになるのか。