人工知能「アルファ碁」、囲碁5番勝負でトップ棋士に3連勝

韓国ソウルのホテルで囲碁ソフト「アルファ碁」と5番勝負の第3局を行う囲碁棋士の李世ドル氏(2016年3月12日公開)。(c)AFP/GOOGLE DEEPMIND〔AFPBB News

 2014~2015年にかけて、モノのインターネットIoT(Internet of Things)がブームだった。しかし私は、一体どうしたらIoTで稼げるのか分らずに、悩んでいた。

 そのようなとき、日立製作所・研究開発グループの矢野和男技師長の本『データの見えざる手: ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則』(草思社)を読んで、なるほどと膝を打った。ようやくIoTの姿が見えてきたのだ。

 そして、今は廃刊となった半導体業界誌の「Electronic Journal」に、「モノのインターネット(IoT)とは何か、どうやってIoTで利益を上げるのか」(2015年2月号)という記事を書いた(私のHPからPDFをダウンロードできます)。

 すると、講演、技術相談、コンサル依頼が多数、舞い込んできた。その際、「IoTをやりたい」と言ってきた企業が少なからずあった。しかし、その担当者に「IoTで何をしたいのですか?」と問うと、「えっ?」と答えに窮する場面が多かった。

 結局、ブームに踊らされた経営者に「IoTをやれ」と命じられた企画部などの担当者がどうしていいか分からず、私の記事を読んで相談に訪れたということである。IoTは手段であって、目的ではない。しかし当初の私のように、IoTの本質を理解するのはなかなか難しいため、このようなことが起きたのだろう。

好奇心や芸術にまでもAIが侵食

 2016年、ブームはIoTから人工知能(AI)へと移り変わった。私が購読している日経新聞(紙と電子版の両方)に、「AI」の文字を見ない日は、1日もない。