グーグル自動運転車、「よい傾向」も課題残る 試験結果公表

米カリフォルニア州シリコンバレーのグーグル本社駐車場を走る自動運転車〔AFPBB News

 米グーグルや米フォードモーターなどの5社は4月26日、米国における自動運転車の実用化に向けて連携すると発表した

統一したルール作りを促す

 5社はこのため「Self-Driving Coalition for Safer Streets」と呼ぶ企業連合を設立。設立メンバーには、すでに自動運転車を開発しているグーグルやフォードのほか、アプリを使った配車サービスを手がける米ウーバーテクノロジーズと米リフト、そしてスウェーデンのボルボカーズが加わっている。

 またこの企業連合は、米運輸省の道路交通安全局(National Highway Traffic Safety Administration:NHTSA)で2010年から2014年まで長官を務めたデイビッド・ストリックランド氏を顧問兼広報担当者として迎えた。

 グーグルなどの目的は、自動運転車を米国の公道で走らせるための統一したルールの策定や法整備を連邦政府に働きかけること。

 米コンピューターワールドによると、各州政府のルールを寄せ集めて策定した基準では自動運転車の研究開発や実用化に遅れが生じると懸念されている。

 例えば、カリフォルニア州の運輸当局は昨年12月、同州における将来的な自動運転車の走行ではドライバーが乗車している必要があるとする規制案を公表した。その一方で前述の道路交通安全局は今年2月、グーグルが開発している自動運転用の人工知能(AI)をドライバーとみなす判断を示した。

 こうした中、グーグルなどは統一したルールを作るよう米政府に働きかけ、自動運転車の実用化を早期に進めたい考えだ。ストリックランド氏は今回出した声明で、「我々は政策立案者と正しい解決策を見いだしていく」などと述べている。

 米政府は今年1月、自動運転車の研究に今後10年間で約40億ドル(約4500億円)を投じるという計画を発表したが、米PCワールドによると、こちらも、寄せ集めのルールが研究開発の妨げになるのを防ぐことを、その目的の1つとしている。