米国の市場調査会社、eマーケターがこのほどまとめた世界のインターネット広告市場に関するリポートによると、米グーグルの今年(2016年)におけるネット広告収入は578億ドルとなり、前年から9%増加する見通し。
シェア30.9%で圧倒的な首位
この伸び率は2015年の15.0%増と比べると低水準だ。だがグーグルのネット広告収入は依然、世界のどの企業よりも多く、同社はこの市場で圧倒的な首位を維持するという。
eマーケターの推計によると、グーグルのネット広告収入は今年、業界全体の30.9%を占める見通し。これに米フェイスブックが12.0%のシェアで次ぐという。
またグーグルは、スマートフォンやタブレット端末などモバイル端末経由の広告分野(モバイルネット広告)にも強く、その収入は業界全体の3分の1を占めている。そしてこれが同社広告事業の成長を後押ししているという。
例えば、同社のモバイルネット広告収入の伸び率は今年、同社ネット広告収入全体の伸び率の4倍となり、2年後の2018年も同2倍と高い伸びで推移すると、eマーケターは予測している。
ユーチューブの広告収入、21.1%増の51.8億ドルに
またグーグルには、動画配信サービス「YouTube」の事業があるが、こちらも同社の成長を支えているという。
その昨年における動画広告収入は42億8000万ドルで、前年比で40.6%増加した。今年はこれが、同21.1%増の51億8000万ドルになるとeマーケターは見ている。
その伸び率はグーグルの広告収入全体の2倍以上。そして、同社広告収入全体に占めるYouTubeの比率は今後ますます高まるという。