中国の半導体メーカー「XMC」(Wuhan Xinxin Semiconductor ManufacturingがXMCに社名を変更)が大胆にも3D構造NAND型フラッシュメモリ(メモリセルを多層化した立体的なフラッシュメモリ)の量産に挑む(参考:http://eetimes.jp/ee/articles/1604/14/news033.htmlhttp://eetimes.jp/ee/articles/1604/19/news072.html)。

 フラッシュメモリは東芝の本丸だ。そこに攻めてくる。

 ただし、大方のアナリストの反応は冷ややかだ。特許等知的財産と技術者の獲得が困難なため、容易には立ち上がらないと見ている。また、1991年の第8次5カ年計画以来、25年にわたって半導体産業育成政策を実施するも不発という現状も考慮すると、確かに難しそうな雰囲気が漂う。

 しかし、東芝OBの筆者は、不安を拭い去れないでいる。なにしろ日本には、DRAM産業を喪失したという苦い過去がある。また、古来、先行者が追ってくる後発者をあざ笑っている間に追い抜かれ、ほぞをかんだ事例には事欠かないのだ。

 そこで、筆者は、フラッシュストレージ市場が一気に立ち上がり始めた今、デバイスに対する要求がどのように変化していくのか、予想してみた。そして、25年前、日本のDRAMメーカーがつまずき始めた頃と酷似していることを示し、油断すると「いつか来た道を辿りかねない」と警鐘を鳴らす。