「ファブレット」をご存知だろうか?
「Phone」と「Tablet」を組み合わせた造語(Phablet)で、5インチ以上7インチ未満の画面を持つスマホのことを指す。ちょうど、スマホとタブレット両方の要素を持つデバイスをイメージすれば分かりやすいだろう。
さらに最近では、5.5インチ以上6.5インチ以下の画面サイズのスマホは「Lサイズスマホ」としてカテゴライズされるようになった。
グローバルで人気の「ファブレット」とは?
このLサイズスマホ、グローバル市場では非常に人気が高い。中でも、韓国、中国、シンガポールなど、アジア市場で特に人気を集めているという。
日本では、これまでLサイズスマホの選択肢は多くなかったが、グローバルな市場では世界中のメーカーから多彩な機種が投入されている。
この人気は、各国でスマホが急速に普及し始めていることが背景にある。
スマホをパソコン代わりに使う人が増え、文字などの視認性が良いLサイズスマホが好まれるのだろう。ウエブサイトの閲覧や動画視聴の際、大きな画面にメリットを感じるのはごく自然なことだからだ。
日本でも高まる大画面化への要望
一方、日本では、Lサイズスマホはそこまで注目されているとは言えないが、スマホに大画面を求める声は確実に高まっている。
MMD研究所が2013年12月5日に発表した「スマートフォン購入者の満足度調査(Android編)」では、「スマホを購入する際に重視する項目は?」との問いに対して、「画面サイズが大きいこと」という回答が最も多い(42.9%)という結果が出ている。
LTE回線や無料ワイファイスポットなどの整備により、スマホを巡る通信環境が充実し、外出先や移動中でも動画などがストレスなく楽しめ、クラウドサービスでどこでもファイルを閲覧・編集できるようになり、日本でも大画面ニーズが高まる下地が整った。
スマホのLサイズ化の恩恵とは?
さて、スマホの大画面化のメリットは、ビジネスシーンで特に顕著に現れるはずである。
例えば、各種ビジネス文書を一般的なスマホで開くと、画面が小さく、内容をチェックする際には拡大・スクロールしなければならない。しかし、Lサイズスマホなら、その煩わしさは軽減する。
また、画面をタップして操作するスマホの場合、ディスプレイのサイズアップは操作性の向上にも寄与するものだ。
筆者の周りでは、「一度、Lサイズスマホを使ったら、もう普通のスマホには戻れない」という声が聞かれる。
実際、「GALAXY Note」シリーズを展開するサムスン電子が実施したユーザー調査でも、「Noteの大画面で、かつスタイラス(タッチペン)で簡単に操作できる点を評価する」声が多かったという。
Lサイズスマホならではの利便性の高さを物語るものだ。
携帯電話として利用するには大きいというイメージを持つユーザーもいるようだが、「Note 3」の場合、軽量・スリム化を実現しているので、使ってみるとそれほど違和感はなかった。
「いよいよ日本でもLサイズスマホがブレイクしそうだ」と予感するのは筆者だけではないだろう。