6月中旬、ミサイル駆逐艦、ミサイルフリゲート、補給艦、潜水艦救難艦、それに病院船の5隻からなる中国海軍艦隊が西太平洋でアメリカ海軍駆逐艦と合流し、ハワイのパールハーバーを目指す。ハワイ周辺海域を中心に実施される、多国籍海軍合同演習「RIMPAC(リムパック)2016」(6月30日~8月4日)に参加するためだ。
世界最大規模の多国籍海軍演習
RIMPACは、アメリカ海軍が2年ごとに主催する世界最大規模の多国籍軍海軍合同演習である。1970年代にはアメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国海軍によって実施されていた。海上自衛隊がRIMPACに初めて参加したのは1980年であった。それ以来海上自衛隊は毎回参加しており、日本はRIMPACの古参メンバーである。
RIMPAC2010からは参加国数が飛躍的に増加し、それとともに参加する艦艇数や航空機数も極めて多くなった(図を参照)。そして近年のRIMPACには、海軍艦艇や航空機に加えて、海軍と行動をともにして水陸両用戦に投入される陸上戦力である海兵隊や海軍陸戦隊なども参加するようになり、多種多様の海洋軍事演習が実施されるようになった。
2012年には、かつてアメリカ海軍の仮想敵であったロシア海軍までもが参加し、中国海軍もオブザーバーとして招かれた。そして前回のRIMPAC2014には、ロシア海軍は参加しなかったものの、中国海軍が正式に参加し、4隻の軍艦をパールハーバーに差し向けたのだ。
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