先に上掲した「天に唾する慰安婦問題、韓国の言論弾圧に世界も注目―事大主義で権力に媚びる司法も後進国そのもの」の末尾に、「言論の自由などを求めて韓国を脱出した先で、生まれた国を思う心も捨てられず、海外での反日活動などでは祖国を支援する気持ちに同化して、無責任な言論を吐き散らされてはたまらない」と書いた。
数日後に「産経新聞」(平成27年11月25日付)が、米韓議員ら5人による「性奴隷制の犠牲者のための国際議会連合」を創設し、日本政府に謝罪を求める声明を発表と報じた。
5議員のうちカナダ、ニュージーランドそして韓国の3議員はいずれも韓国出身である。政治的弾圧や言論封殺などから韓国を脱出した政治家であれば、日本糾弾よりも韓国における言論の自由などを訴え、社会改革を促すのが真の祖国愛ではないだろうか。
脱出先の米国で日本批判のために歪曲された言論を支持することは祖国の閉塞感を高めるだけで、真の社会改革はできない。反日運動への加担は、韓国社会を近代以前に押し戻すことになる道理が理解できないのだろうか。
韓国系と中国系米国人の急増
中韓が米国で発言力を増しているのは、中国系や韓国系米国人が急増していることに一因がある。「Statistical Abstract of the United States 2003」による2000年の人口比は白人81%(うちヒスパニック系11.6%)、黒人12.7%、アジア系3.8%であった。
また、高濱賛氏のJBpress論文「在米韓国人の反日運動、実は100年の歴史あり」による2014年の人口比は、77%(17%)、13%、5.4%となっており、白人全体は減少し、黒人はほとんど変らず、ヒスパニック系とアジア系が増加していることが分かる。
なかでも1965年の国別移民割当を撤廃する移民法改正で、中国、韓国およびフィリピンなどのアジア系が急増し1700万人となっている。内訳は中国系379万人、フィリピン系341万人、インド系318万人、ベトナム系173万人、韓国系170万人、日系130万人である。
1988年にロナルド・レーガン大統領が日系人の強制収容を謝罪し、日系米国人補償法に署名した時点で日系人に対する差別をなくす教育基金も作られたことなどから一時的に日系人は増加したが、二重国籍取得の厳しさなどから、その後は減少することもあったという。
他方で、中国系や韓国系は一貫して増加し、1990年から2010年の20年間に中国系は倍増して350万人に、韓国系は7割増加で140万人になったとされる。この増加率から逆算すると、中国系が年間8万人台、韓国系が年間3万人台で増加したことになる。
上記人口から2010年以降の4年間では中国系は年間約10万人、韓国系は年間7.5万人の増加となり、2010年以前の増加率よりさらに大きくなっており、特に韓国系が著しい。
2013年の韓国ギャラップ社の調査では一般の韓国人にも移民を真剣に考えているという人が5人に1人おり、就職サイトが725人のサラ―リーマンを対象にした調査では97.4%が「ほかの国に移民したい」と答えたそうである。最大の理由が「改善されることのない韓国社会に対する不満」であったという。