ここに2枚の絵がある(米国の心理学誌 "Journal of Personality and Social Psychology"より )。どちらの絵にも、5人のメンバーから成るチームの様子が描かれているのだが、2つの絵には微妙な違いがある。
1枚目の絵には、5人のメンバー全てがにっこり笑っている様子が描かれているのに対して、2枚目の絵では、5人のうちリーダーだけが笑みを浮かべており、残りの4人の表情はどちらかといえば不満げだ。
さてあなたは、どちらの方がより「良いチーム」だと思うだろうか。あなたの周りの仲間たちは、どちらをより「良いチーム」だと思うだろうか。
・・・・・・あなたの予想通り(そしておそらく、あなた自身の答えと同じように)、多くの日本人が「1枚目」と答える。メンバーみんなが満足してこそ「良いチーム」ということなのだろう。
ところが興味深いことに、アメリカ人にこの質問をすると、しばしば「2枚目」という答えが返ってくる。チームの良し悪しは、チームメンバー全員や満足すること、あるいはチーム全員の満足の総量ではなく、リーダーの満足によって計られるべきだ、というのだ。
このエピソードを聞いた多くの日本人が困惑した様子をみせる。1つは、「2枚目」の方が「良いチーム」だなんて「全く理解できない!」という意味で。そしてもう1つは、「良いチームとはどのようなものか」といった素朴な問題においてすら、私たちはアメリカ人と分かり合うことができないのか・・・という意味で。