日韓企業の「競争」によって完成したマレーシア・クアラルンプールの双子ビル「ペトロナスツインタワー」(出所:Wikimedia Commons

 今年は日韓国交正常化の50周年に当たり、あちらこちらで記念式や記念シンポジウムが開催されている。しかしながら、昨今のギクシャクする日韓関係を反映してか、今一つ盛り上がりに欠ける。「過去直視」対「未来志向」がぶつかる記念行事では相手に対する敵意まで感じられる。何年か前の韓流ブームが幻だったのかと思える昨今である。

 日清戦争以来の日韓関係がまともな国際関係と呼べるものではなかったことは、否定しようのない事実である。だが、ここ50年ほどの間に、多くの交流・協力の成果が生まれてきたことも確かだ。

 簡単なデータを見よう。正常化の元年である1965年の両国間の訪問者は年1万人にすぎなかった。だが、2014年は1日に1万4000人が玄界灘を往来している。同じく65年の貿易規模は2.2億ドルにすぎなかったが、2014年は947億ドルであり431倍の成長である。韓国の長年の懸案問題であった対日貿易赤字も毎年減少傾向にあり、かつてほどの深刻さはない。こうした成果は、日韓の企業間の協力と競争がダイナミックに交差したことによるものであると考えられる。

 韓国企業の躍進も見逃すことはできない。サムスン、現代自動車、POSCO、LGなどは、グローバル市場において先達の日本企業と肩を並べるほどに成長した。価格だけでなく品質やデザイン、マーケティングなど日本企業を凌駕した部分も少なくなく、ベンチマーキングする日本企業があるほどである。