一方、もし現在、人工甘味料の入った飲料や食品をかなり摂っているという場合は、健康診断を受けるほうがよいと思います。受けてみて特に問題なければ、人工甘味料の摂り過ぎを心配する必要はありません。

 今回の『ネイチャー』論文の最後のほうで目に付くのは「個人差がある」という表現です。人工甘味料に対する感受性には個人差があると、私も考えています。もし、自分が糖尿病や肥満になりやすい体質ということであれば、人工甘味料の摂取について見直す必要があるのではないでしょうか。それを見極めるためにも、健康診断を受けてみるとよいということです。

――個人差の問題もあれば、摂取量の問題もある。一括りに危険か安全かは言えないのですね。

中島 どんなものであっても、毎日、水がわりのように飲んでいれば、健康状態はおかしくなるものです。甘味に対する味覚が異常になっている可能性もあります。人工甘味料を過剰に摂っていると感じている人は、すこし控えめにしたらよいのです。

(後編へつづく)