結局、人工甘味料は体にいいのか悪いのか

「ネイチャー」人工甘味料論文の衝撃(前篇)

2014.10.17(Fri)漆原 次郎

中島 面白い研究だと受け止めています。今回の論文では、腸内細菌の量の変化が主な細菌の種類ごとに示されています。昔から腸内細菌叢のバランスの変化が、糖尿病に対してなんらかの悪影響をもたらすと考えられてきました。これだけ具体的に示されたのは、今回が初めてではないでしょうか。

 ただし、この論文での主な対象はマウスです。人を対象とした調査や実験も行われていますが、アンケートなどの調査では400人弱、介入試験では7人と、対象人数が少なく、また期間も短いものです。

 2型糖尿病はそう簡単に起きるものではなく、時間がかかります。ですので長期的な試験の結果を見てみないと分からない部分は多くあります。現時点で言えるのは「人工甘味料が短期的には糖代謝を悪化させる可能性がある」ということだけです。

――人工甘味料の摂取量も、血糖値の上昇と関係するのでしょうか?

中島 それはあり得ると思います。今回のマウスの実験では、11週間にわたり、人間の推奨最大摂取量の人工甘味料をマウスの体に当てはめた分量で摂取させつづけたといいます。11週間もそれだけの量を摂取しつづければ、さすがに体への影響は起きるだろうということです。

――「ネイチャー」に載った論文と聞くと、真実だと信じる人が多いのではないかと思います。この論文の意義はどのようなものなのでしょうか?

中島 基本的には、いままでの研究結果に、信頼性の高い研究結果が加わったということです。今回の研究結果をもって、いままでのすべての研究成果を総括するといったものではありません。

大量摂取はどんなものでも毒になる

――結論として、人工甘味料の摂取は糖尿病などの病気のリスクを高めるのでしょうか?

中島 たまに少しの量の人工甘味料入り飲料を飲むくらいであれば、おそらく問題はないのではないでしょうか。

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