勉強や人間関係作りなど、将来のための投資をしなくてはならない。投資に回す時間は、目安で1割、使える時間が1日16時間として、1日約1時間半だ。

 最後に、従業員は会社から役割を与えられた個人商店のようなものであるということ。自分の役割を把握し、自分を他者から差別化できる業務知識や業界経験を持っていることは、自分の価値を高め、会社の中での立場を強くする。

 また、個人をベースにしているからこそ、みんなを引っ張って行くリーダーシップが高く評価される。

 組織運営の特徴を掴めたら、自分の能力を外資系という環境で発揮していくために、自分はどのようにしていくべきなのかを整理していけばいい。

自分なりの行動原則10か条を作ろう

 イメージだけ終わらせないで、自分の行動原則を明文化するのは有用だ。働く環境、自分の強み・弱みによって、内容は変わってくるだろう。筆者のリストは次のとおりだ。

外資系で働く私の10か条

1.自分のビジョンを持つこと。入社したときに自分がその会社で何を成し遂げたいのか、1ページにまとめる。
2.自分の感情をコントロールすること。自分のエゴや好き嫌いではなく、成果を求めて行動する。
3.自分の固有のスキルと知識を持つ
4.仕事の世界を野球に例えると、1年は1シーズン、1週間は1試合、1日は1打席、1つのミーティングは1球のようなもの。1年を成功させるためには、1試合ごと勝利していく必要がある。月曜日にオフィスに着く前に、20分間、その週に達成したいことを書き出す。
5.毎朝10分間、働き始める前にその日に何をするか整理する。

6.ミーティングに出る前に数分間、そのミーティングで何を議論のポイントにするのか、頭を整理する。必要な情報を得ておく。
7.成果を出し続けることが、自分のキャリアを伸ばす最善の道。
8.自分の部署の本質的な役割を認識しておく。例えば、私の働いているファイナンスは、他部署がいろいろな方向に揺れ動いても間違った方向に傾かないようにするための会社の背骨のようなもの。正しい見地にとどまることが求められ、人の顔色を見て風見鶏のように揺れ動いてはいけない。
9.自分の起きている時間の1割を常に将来の成長のために使う。
10.自分のやりたいこと、成し遂げたことを社内の要人に能動的に見せる(自分の社内マーケティング)。