フィリピンの話は続く。セブ島でこの人を知らない日本人は恐らく潜りに違いない。セブ島に住んでいる日本人だけではない。このところセブ島へ視察に来る日本の企業経営者が後を絶たないそうだが、たいていの人は1人の若い美女を訪問するという。

セブ島の情報は美人に集まる仕組み

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 セブ島の日本語情報誌「セブポット(Cebu Pot)」を発行するピナカ・ポット・ディストリビューション社長の佐藤尋子さんだ。

 30代前半で美人、独身、2児の母。やまとなでしこがフィリピン流に磨き上げられて、宝石のような輝きを発している凄腕の経営者である。

 セブ島で唯一の日本語情報誌を発行しているとあって、情報は自然に彼女のところへ集まってくる。その情報を求めて、ここに住んでいる日本人も日本から視察に来る経営者も必然的に彼女の門をたたく。

 その人たちが新たな情報をもたらして、彼女はそれを発信し、それがまた人を呼ぶ。彼女を中心にセブ島の情報はぐるぐる回っているようなものだ。

 「情報を持つということがこれほど楽しいとは思いませんでした」と佐藤さんは素直に話す。

 「日本だったら絶対に会えないような企業の社長さんにも会えるし、対等にお話もできる。高度成長中のセブ島で情報産業をやっているおかげですよね」

 セブポットは隔月に発行されるフリーペーパーで、当初は収入をすべて広告に頼っていた。しかし、読者の相談に乗るようになって、新しいビジネスを次々と立ち上げ、今では全収入に占める広告費の割合は半分以下になっている。

 例えば、セブ島で老後の生活を送りたいというシニア層のサポート。フィリピン政府が発行するリタイアメントビザの申請サポートをする政府公認の資格を取っている。

 「日本の会社ではフィリピン政府公認マーケッター(ビザ取得代行エージェント)の資格があるのは今のところ当社だけなんですよ。フィリピンでの銀行口座開設からビザ申請まで全部日本語でサポートします」

 最近、急速に増えている日本からセブ島への移住。そのビザ申請手続きの実に7割近くは佐藤さんの会社が請け負っているそうだ。