マハティール もちろん、中国は脅威を受けているから軍備を拡大させているとだけは言えません。先ほど申し上げたように経済的に豊かになれば強い軍隊を欲しくなるものですから。
ただ、歴史的に言えるはっきりした事実があります。
中国はチベットなど限られた例外を除いて、外国を侵略したことがないということです。しかし、米国や欧州各国は違います。
欧州(ポルトガル)は1509年と1511年にマレーシアにやって来ました。そしてわずか2年後にマレーシアを征服した。しかし、中国は2000年も前からマレーシアにやって来ているのに、マレーシアを征服はしていなんですよ。
急速に発展を遂げる中国は市場としての魅力がどんどん増しています。このことはマレーシアはもちろん、日本にとっても最も重要なことでしょう。軍事的脅威などと煽る者の言うことを聞かないことです。
川嶋 どうも有難うございました。中国は欧米諸国と違って滅多に他国を侵略しないという歴史を日本人はもっと勉強すべきなのかもしれません。
(マハティール元首相へのインタビューは、「日本が観光立国マレーシアから学ぶべきこと」を執筆したアクマル・アブ・ハッサン氏の協力で実現した)