今回のテーマは、長い結婚生活における「男女の資産価値の変化」です。「恋愛均衡説」はすでに学びましたが、結婚後に訪れる不可避の不均衡問題が重要です。人生長いですから、いろいろなことが起こります。その各々が離婚の原因になってしまうのです。
まずは恋愛均衡説から
この連載では何度も、恋愛は等価交換であると説明してきました。お互いの資産価値を前提にして物々交換をしているのだと。
また、結婚というものは、「女は男の可能性を買い、男は女の旬を買う」というふうに考えることも申し上げました。
女は男の将来性を青田買いします。30歳前後の男なら将来社長になることも可能です。
あるいは、激動する世の中、仕事を失って路頭に迷う可能性がないわけではありません。結婚の時点で、可能性に懸けるというのが女の行う行為です。
他方、男は女の人生の中で最も輝いている時期を手に入れるということになります。特に女の見かけに重きをおいて結婚する場合には、生花と同じように時間とともに視覚的魅力は劣化していきますので、結婚した時点が女の最高の瞬間と言えなくもありません。
このように男女間では交換するものは異なるものの、同性内でのステータス(年収の多寡や見かけの優劣)によって等価交換を行うことになります。
しかし、結婚当初はお互いの商品価値は均衡していたとしても、その後の人生は長い。平均すると50年くらいあります。
バランスがずっと保たれる場合もあるでしょうが、実際には均衡は崩れて、両者の価値に開きが生じてしまう可能性の方が高いのです。
むしろ、必ずバランスは崩れると言ってもよい。それほど、人生は長いのです。バランスが崩れたとき、離婚の危機が迫ります。