マルクス流に言えば「共有の入会地」が必要だ

 もちろん、ビジネスの論理を全て否定するつもりはありません。何もかもが高騰している世の中で、スポーツ大会を運営する側の理屈もわかります。

 しかし、文化の火を絶やさないためには、誰もがアクセスできる「広場」、マルクス的に言うと「共有の入会地(コモンズ)」は、多少なりとも残しておくべきではないかと思うのです。

 子供たちが、お金の有無にかかわらず、ヒーローの活躍に目を輝かせて翌日の教室で語り合える。

 撮影現場の俳優たちが、役柄を超えて一つのプレーに魂を震わせ、そこから会話を弾ませることができる。

 そんな「当たり前」の景色が、一部の契約者だけの特権にならないように。

 3年前、あの京都の撮影現場に流れていた心地よい一体感を思い出すたび、私は強く願わずにはいられません。感動は、もっと自由で、もっと開かれたもので、誰の手にも届くものであってほしいなぁと。

 とまあ、そんなことを来る13日の金曜日、「お江戸 上野広小路亭」にて18時から、独演会を開催いたします。演目は『阿武松』と『付き馬』。ゲストは漫談のコラアゲンはいごうまんさん。

 あ、こちらは有料3千円です(笑)。

立川談慶(たてかわ・だんけい) 落語家。立川流真打ち。
1965年、長野県上田市生まれ。慶應義塾大学経済学部でマルクス経済学を専攻。卒業後、株式会社ワコールで3年間の勤務を経て、1991年に立川談志18番目の弟子として入門。前座名は「立川ワコール」。二つ目昇進を機に2000年、「立川談慶」を命名。2005年、真打ちに昇進。著書に『教養としての落語』(サンマーク出版)、『落語で資本論 世知辛い資本主義社会のいなし方』、『安政五年、江戸パンデミック。〜江戸っ子流コロナ撃退法』(エムオン・エンタテインメント)、『狂気の気づかい: 伝説の落語家・立川談志に最も怒られた弟子が教わった大切なこと』(東洋経済新報社)など多数の“本書く派”落語家にして、ベンチプレスで100㎏を挙上する怪力。