市山、近藤、工藤、藤村もMGCファイナリストに

 他の日本勢では市山翼(サンベルクス)が今年も存在感を発揮した。第3集団でレースを進めて、ハーフ地点を1時間3分08秒で通過する。30kmは1時間29分44秒の通過で、第2集団の選手たちと26秒ほどのビハインドがあったが、終盤が力強かった。日本人選手3人を抜き去り、2時間6分58秒の15位でフィニッシュ。前回の日本人トップに続き、日本人3位の活躍を見せた。

「今日は挑戦するよりも図太く我慢するレースを展開することになりました。ただMGCやロス五輪では、このような走り方では勝負できません。マラソンを走りきることに対しての抵抗がなくなってきたので、そこにスピードを乗せて勝負できるように準備していきたいと思います」

 東京世界陸上で日本最上位の11位に入った近藤亮太(三菱重工)と「山の名探偵」と呼ばれる工藤慎作(早大)は第2集団でレースを進めた。しかし、ふたりとも36km付近で大迫と鈴木についていくことができず、市山にもかわされた。近藤が2時間7分06秒の17位、工藤が2時間7分34秒で20位だった。

 近藤は昨年の大阪で初マラソン日本最高の2時間5分39秒(日本歴代6位)をマーク。今大会に向けては豪州合宿で標高約1600mの山間部でトレーニングを実施した。しかし、起伏があったため、「左膝を少し痛めて、歩くのも痛い時期がありました」と今回は万全な状態で迎えることができなかったようだ。それでも三菱重工勢では3人目のMGC出場権をつかんだ。

「今日は課題が多く残るレースでしたが、早いタイミングでMGC出場権を獲得できました。MGCまでの期間じっくり作り直して、MGCファストパスも狙って、より高いレベルのマラソンができるように頑張っていきたいです」

 一方の工藤は「調子が良かったので、第2集団で、そのまま行ければ良かった」と初マラソンながら好タイムの期待を抱かせた。しかし、35km以降に「何度もふくらはぎをつってしまった」とペースダウン。それでも学生歴代4位の好タイムでふみとどまった。

「余裕はあるのに落とさなくてはいけなくなったのがもったいなかったですね。それでもMGCの出場権を取れたのは良かった。自分のマラソン選手としてのキャリアは始まったばかり。今日の経験、これまでのアプローチを今後に生かしていきたいです」

 そして日本人6位(総合26位)に食い込んだのが藤村共広(スズキ)だ。市山と同じ第3集団でレースを進めると、終盤も粘り強かった。自己ベスト(2時間10分33秒)を大幅更新する2時間8分49秒をマークして、周囲を驚かせた。

 神奈川大卒6年目で鈴木健吾の2学年下になる。大学時代は箱根駅伝を走ることができなかったが、ロードレースで徐々に力をつけて、MGCの出場権をゲットした。

「まさか自分が取れるとは思っていませんでした。5000m(13分57秒40)、10000m(28分35秒93)、ハーフマラソン(1時間2分01秒)の記録がまだまだ遅いので、この1年半でスピードアップして、MGCで上位に食い込めるように頑張っていきたいです」

 なお第2集団で積極的な走りを見せた太田蒼生(GMOインターネットグループ)は2時間10分07秒の31位。初マラソンとなった塩澤稀夕(富士通)は第3集団に30kmまで食らいつき、2時間10分09秒の32位だった。