また、高市は、国旗損壊罪の制定にも前向きである。刑法92条には外国国章損壊等罪が定められているが、日本国旗については同様の規定はない。しかし、これを定めると、表現の自由(憲法19条、21条)との整合性が問題となる。

憲法改正、皇室典範改正の議論は「数の力」で押し切るべきものではない

 防衛政策について論ずれば、それは憲法改正の議論と結びついていく。憲法96条によれば、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が発議する。その上で、国民投票で過半数を得れば、改正が可能になる。

 参議院では、まだ与党で3分の2を確保していない。野党の賛成も必要だが、改正の内容がどうなるかで、政党の立場は違ってくる。

 今回の衆院選での自民党の圧勝で、一気に憲法改正が進むような状況ではない。

 私は小泉政権のときに、自民党の新憲法起草委員会の事務局を担当し、憲法改正案をとりまとめた。また、国会の憲法調査会にも参加し、他の政党に属する議員とも憲法論議を展開した。その際には、野党の意見にも積極的に耳をかたむけたものである。かつては、温厚な中山太郎会長が、各会派の意見をまとめるための努力を惜しまなかった。今回は、古屋圭司議員が会長となったが、同様な寛容な姿勢を見せてほしいものである。

 高市は、男系皇族の数が減っている現状に危機感を感じており、皇室典範の改正が急務だと訴えている。高市は、旧宮家の復活などによって、男系皇族を増やすことが念頭にあるが、自民党内にも様々な考え方がある。愛子天皇の実現を願う国民も多い。したがって、これは簡単に決着のつく問題ではない。

 国会が決めることとはいえ、天皇陛下がどういうお考えであるかも知っておく必要があるのではないか。

 私は、皇室典範の改正には手を付けないほうがよいと思う。