データセンターのハブとして急成長するカナダ
高い気温もデータセンターの立地のネックである。
データセンターでは、冷却のために大量の電気を使う。高気温の場所では、いかに電気代が安いといっても冷却のための電気代は軽視できない。地球の温暖化が進む中、気候条件はますます重要になっていくであろう。
データセンターの立地では自社の立地との関係は大事である。日本企業であれば、首都圏と関西圏に置く場合が多かったが、近年は気候変動の影響もあり北海道での設置も増えている。
一方、グローバルに考えた場合、周辺国などとの地政学的要因も必須である。
日本企業は、政府や金融機関の要請もあり、国内にデータセンターを作ろうとするとの指摘もある。しかし、台湾有事を含め日本の周辺国の安全保障を巡る情勢は緊迫化している。地震などの災害が多いことは論をまたない。米国、カナダ、北欧など、地政学的な不安定要因が少ない寒冷地も候補にしていくべきだ。
そのような中、一つの有力な候補は土地も広くAI大国の米国にも隣接するカナダではないか。実際に、Amazon Web Services(AWS)、Google、Microsoft、Oracle など多くのクラウド事業者がカナダへ投資しており、データセンター基盤を拡大している。トロントやモントリオール、アルバータ州などが主要なデータセンターのハブとして成長している。
今後はデータセンター地政学といった視点でグローバルビジネスを見ていくことも必要になる。
山中 俊之(やまなか・としゆき)
著述家・起業家
1968年兵庫県西宮市生まれ。東京大学法学部卒業後、1990年外務省入省。エジプト、イギリス、サウジアラビアへ赴任。対中東外交、地球環境問題などを担当する。首相通訳(アラビア語)や国連総会を経験。外務省を退職し、2000年、日本総合研究所入社。2009年、稲盛和夫氏よりイナモリフェローに選出され、アメリカ・CSIS(戦略国際問題研究所)にて、グローバルリーダーシップの研鑽を積む。2010年、グローバル理解やグローバル人材開発支援、世界とつながる地域創生支援を目的としたグローバルダイナミクスを設立して代表取締役就任。2015年からは、神戸情報大学院大学教授を兼任、アフリカ等からの留学生に対して社会イノベーションについて教鞭をとる。研究室の卒業生の中からは欧州有力ファンドから資金調達に成功した起業家も生まれる。世界101カ国を訪問(2025年4月現在)。先端企業から貧民街・農村、博物館・美術館を徹底視察。ケンブリッジ大学大学院修士(開発学)。高野山大学大学院修士(仏教思想・比較宗教学)。ビジネス・ブレークスルー大学大学院MBA、大阪大学大学院国際公共政策博士。京都芸術大学学士。
著書に『世界94カ国で学んだ元外交官が教える ビジネスエリートの必須教養 世界5大宗教入門』(ダイヤモンド社)、『世界96カ国で学んだ元外交官が教える ビジネスエリートの必須教養 世界の民族超入門』(ダイヤモンド社)など。