米軍がイラン攻撃を近く始める可能性
ロシアの原油生産(日量約930万バレル)の約半分が輸出向けだ。輸出の減少が国内の貯蔵施設を満タンにするため、石油企業が減産を迫られるというわけだ。
ロシアにとって幸いなのは中国が引き続き購入意欲を示していることだ。
ロイターは16日「中国の2月のロシア産原油の輸入量は3カ月連続で増加し、過去最高を更新する見通しだ」と報じた。クプラーは「1月の輸入量は日量170万バレル、2月は同207万バレルに達する」と推定している。
ロシア産原油の購入に意欲的なのはティーポットと呼ばれる独立系製油所だ。ティーポットはイラン産原油の大口の買い手だったが、今年に入り、購入に慎重になっている。
核合意交渉が決裂し、米国がイランへの軍事攻撃に踏み切れば、イランからの原油積み出しが困難になるとの懸念からだ。西側諸国の制裁の影響を受けにくいティーポットにとって、ロシア産原油の方が信頼できる調達先に見えるということなのだろう。
イランの原油輸出に対する国際社会の圧力はさらに高まっている。
米ニュースサイトのアクシオスは14日「トランプ米大統領とイスラエルのネタニエフ首相は11日のホワイトハウスでの会談で、イラン産原油輸出への圧力を強化することで合意した」と報じた。
ロイターによれば、インドも今月、イランと関連する米国の制裁対象のタンカー3隻を拿捕するなど、同国の周辺海域の監視を強化している。
イランを巡る情勢も緊迫したままだ。
イラン革命防衛隊は16日、原油輸送の要衝であるホルムズ海峡で軍事演習を実施した。 翌17日のスイスでの米国との協議に向けての示威行動だったのだろう。
イランのアラグチ外相は17日「(米国との協議で)良好な進展があった」と述べたため、「原油供給への悪影響が和らぐ」との観測が広がり、売りを誘った。
だが、アクシオスが18日「トランプ政権の側近が『今後数週間以内にイランに対して大規模な軍事行動に出る可能性が高い』と述べた」と報じると、原油価格は一時、65ドル超えとなった。その後も上昇傾向が続いている。
市場がロシアの地政学リスクを再び織り込み始めていることも気がかりだ。